2024.05.06

2023年第3回定例会のご報告(質問の概要等)

第3回定例会は2023年9月20日に開会し、10月31日に閉会をしました。議案の一覧は札幌市議会のHPに掲載されていますのでご覧ください。https://www.city.sapporo.jp/gikai/html/giantouichiran0503t.html

主な議案は2022年度の決算についてです。主な質疑は決算特別委員会にて部局毎に行います。定森ひかるは、財政局・環境局・まちづくり政策局・危機管理局・市民文化局・こども未来局/教育委員会などを扱う1部決算特別委員会に所属しており、積極的に質問に立ちました(詳細は別途下記に記載)。

2022年度の決算額は、2021年度決算比で5.2%減となる1兆2,188億円となります。歳入決算額との差額のうち35億円を財政調整基金(市の貯金のようなもの)に積み立て、その結果、財政調整基金の2022年度末残高は314億円となりました。

第3回定例会の結果ですが、すべての議案が賛成多数で可決、2022年度決算も認定されました。国に対する意見書(「現行の健康保険証の存続を求める意見書」等」も10件可決されています。定森ひかるが所属する会派「民主市民連合」は決算・議案すべてに賛成をしています。

以下、定森ひかるが決算特別委員会で質問をしたテーマについて概要となります。どのような問題意識で質問をしたのか、提案内容も含めてお伝えします。各質問は、札幌市議会のHPから録画映像を見ることができます。 2023年第3回定例会録画:https://sapporo-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=gikai_days_list&gikai_id=193

10/10 環境局「市民とともに気候変動対策を考える「市民会議」の実施を求める!」

札幌市の気候変動対策 ―気候変動対策行動計画と市民参加の意義

札幌市は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする「ゼロカーボンシティ」の実現を目指しています。そこで札幌市は、温室効果ガス排出量を2030年には2016年比で55%削減するという高い目標を掲げた気候変動対策行動計画を2021年3月に策定し、「市民・事業者」、そして「市役所」それぞれの削減目標と達成に向けた取り組みを定めています。
札幌市気候変動対策行動計画:https://www.city.sapporo.jp/kankyo/ondanka/kikouhendou_plan2020/index.html

部門別の温室効果ガス排出量をみますと、全国では産業部門が最も多くなっていますが、札幌市では家庭部門が排出量の最も多い部門となっています。これは大規模な工場地帯がない一方で、家庭の冬季の暖房使用量が多いなどが要因にあります。排出量削減に果たす市民の役割が大きいことは札幌の特徴といえます。だからこそ、いかなる気候変動対策を札幌市がとるべきか等については、市と市民が一緒に考え、市民の意見を本市の計画・政策に反映していくことが重要になってきます。

市民とともに気候変動対策を考える「気候市民会議」

いま、気候変動対策における新たな市民参加の手法として、気候市民会議という取り組みが世界・国内で注目されています。
気候市民会議とは、無作為抽出で選ばれた市民が、専門家からの情報提供をもとに気候変動対策について数日間かけた深い議論、いわゆる「熟議」を行う会議です。国内では、北海道大学等の研究グループによる「気候市民会議さっぽろ2020」(札幌市も協力)が2020年11月に行われたのを皮切りに、その後、武蔵野市や所沢市など関東を中心に日本でも広がりを見せています。
気候市民会議さっぽろ2020:https://citizensassembly.jp/project/ca_kaken

定森ひかるの「質問」と「提案」

札幌市の気候変動対策行動計画は2021年3月に策定されましたが、それに先立つ2021年1月に気候市民会議さっぽろの報告書が本市に届けられています。そこで市に対して、気候市民会議に対する認識について質しました。

市からは、「気候市民会議さっぽろ2020」で挙がった市民意見が行動計画に反映されていること、気候市民会議の特徴である、適切な情報提供と熟議の重要性を認識していることが答弁としてありました。

最後に、定森ひかるからの提案として、①5年ごとの計画の見直し時期に新たな気候市民会議を開催して市民ニーズを的確に反映すること、②市民会議の手法を他の政策領域にも活かすべく市民会議の効果検証をすることを提案しました。

10/12 まちづくり政策局「歩きたくなるまち・琴似を目指す地区計画へ!」

多くの建物の更新時期を迎える琴似 

商店や飲食店等が立ち並ぶ琴似は西区の賑わいの中心的な場所です。その琴似地域の多くの建物が更新時期を迎えており、JR琴似駅や地下鉄琴似駅、それらをつなぐ琴似・栄町通り周辺の町なみが大きく変わろうとしています。
建物更新が進むことは、地域に新たな活気が生み出される可能性がある一方で、店舗などの商業施設が集合住宅に建て替わることによって、街を歩く人が減り、地域の交流場所が失わるなどの懸念も生じます。

地区計画による賑わい創出を目指す

こうしたことから、札幌市は、2022年12月に、琴似・栄町通り沿道を主な対象地域とした「琴似本通地区地区計画」を策定しました。この計画が出来たことで、対象となる地域で建築行為を行う際に、店舗や広場、広い歩行空間などのにぎわいの創出を図る場合には容積率が緩和されます。このことにより、集合住宅と商業施設が共存するまちづくり、歩きたくなるまちづくりが進むことを目指しています。
琴似本通地区地区計画について:https://www.city.sapporo.jp/keikaku/kyoten/kotoni/guideline.html

定森ひかるの「質問」と「提案」

地区計画は、建築物の用途や高さの規制・緩和などの個別のルールを地区ごとに定めることができるものであり、地域住民のまちづくりへの思いを形にする手段であります。地区計画に沿ったまちづくりが行政と民間事業者のみならず、地域住民も一緒になって進めていくことができるよう、計画策定後も地域住民に対する周知活動は不可欠です。
そこで、地区計画が効果的に活用されるよう、札幌市として地域住民等にどのように周知を行う予定なのかを質問しました。

札幌市からは、琴似商店街振興組合等の広報活動とも連携しながら、「琴似まちづくりガイドライン」の概要をまとめたパンフレットを作成し、まちづくりセンターとも協力しながら地域に広く周知していく予定という答弁がありました。

最後に、定森ひかるからの提案として、地区計画によってまちづくり活動がより活発になるためには、計画策定時に関わった町内会、商店街組合、飲食店組合などの地域住民だけでなく、琴似周辺でまちづくりに関わっている他の団体・市民など幅広い方々への周知活動について提案をしています。琴似地域がより一層、歩きたくなるまちとしての魅力が高まるよう、引き続き関わりたいと思います。

10/16 危機管理局「災害時における民間団体との連携を進め災害に強い札幌へ!」

応援者受入計画とは?

近年、全国各地で大規模災害が発生しています。札幌市も震度7の大地震など大規模災害が起こることが予想されています。大規模な災害が発生すれば、災害支援に関わる市の職員も被災をします。通常とは異なる膨大な災害支援業務を少ない人員で取り組むことになり、被災者の命を守り、迅速な復旧・復興を進めるには、外部の応援職員や民間団体との連携が重要となります。こうしたことから、札幌市は2016年に「応援者受入計画」を策定し、外部の支援の窓口の明確化などの受け入れ態勢を事前に整えています。 札幌市応援者受入計画:https://www.city.sapporo.jp/kikikanri/bcp/documents/04_ouensyaukeirekeikaku_honpen_202303.pdf

民間団体との連携の意義 

外部からの応援者は、他の自治体職員に加え、NPO・企業等の専門性をもつ民間団体が想定されます。災害支援の経験が豊富なNPO・企業による専門性を活かした活動も外部からの応援として欠かせない役割を全国の被災地で果たしています。

例えば、北海道胆振東部地震の大きな被害のあった被災地では、倒壊の危険性のある被災住宅から家財・農機具、さらにはペットなどを救済するために、重機を使った活動が行われております。その他にも、支援物資の提供とともに全国の被災地で培った避難所運営のノウハウを提供する団体もあります。被災自治体の資源、経験では不足するところを、多くの専門性のあるNPO・企業等が支援を展開してきています。

定森ひかるの「質問」と「提案」

札幌市は応援者受入計画を策定したものの、こうした豊富な災害支援の経験を有するNPO等との連携体制は十分に整っていない現状があります。そこで、災害時の専門性を有する団体との連携に対する認識を質問しました。

市からは、専門性を有するNPO・企業等とも災害時に情報共有を密に行くための連携を図りたい旨の答弁を頂きました。

定森ひかるからは、民間団体との連携は多様な被災者ニーズの把握にもつながるので、平時からの体制づくりを進めてほしいとの要望とともに、災害中間支援組織との連携を提案しました。

10/18 市民文化局「アーティストの活動を支え、文化芸術を魅力あるまちづくりに活かす!」

文化芸術とまちづくり ~コロナ禍で明るみになったアーティストが抱える活動上の課題

文化芸術は、私たちの暮らしの豊かさに欠かせないものであり、人々の創造力と感性を育み、特色あるまちづくりや創造性が発揮された経済活動の基盤になります。こうした文化芸術のもつ価値は、文化芸術の担い手であるアーティストによる既存の価値観に縛られない、自由な発想に基づく創造活動によって成り立つものです。

しかしながら、札幌市のアーティスト約1300人が回答した2021年の「札幌市文化芸術活動実態調査」によれば、約97%のアーティストが場所・資金・人材などの活動上の課題を抱えていました。

全国でも珍しい中間支援組織による支援 「札幌市文化芸術創造活動支援事業」の挑戦

本事業は、アーティストの現状やニーズ等を把握している中間支援組織から、コロナ禍におけるアーティストの創作活動を支援する取り組みの提案を受け、採択された中間支援組織がアーティスト支援を図るというものです。専門性を有する中間支援組織によるきめ細やかな伴走支援が、支援を受けたアーティストから高い評価を得ています。全国でも珍しい事業スキームによる助成でもあり、専門性を有する文化芸術関係者と行政との新たな協働による文化芸術政策と言えます。

定森ひかるの「質問」と「提案」

「札幌市文化芸術創造活動支援事業」はアーティストらから高い評価を得た事業である一方、コロナ禍の緊急支援的な目的としてて行われたところがあります。そのため、2023年度は事業の見直しのための評価・検証期間となっていました。そこで、本事業を2024年度以降も継続すべきだが、評価・検証を踏まえてどのように事業目的を見直すつもりなのかを質問しました。

市からは、文化芸術のもつ価値をしっかりと高め、まちづくりに活かしていくことで市民に還元をもたらす事業にしていきたいということでした。

私からは、まちづくりに活かすという方向性には理解を示しつつ、短期的な経済利益を追求するものとなるのではなく、創造性ある活動が地域に根を張り、世に広まるのを後押しするような事業となること、アーティストが抱える活動上の課題にしっかりと応える「アーティスト支援」という本事業の目的が見失われないよう要望しました。

 

10/20 子ども未来局「子ども支援コーディネートの更なる拡充を」

子どものくらし支援コーディネート事業

札幌市は、子どもに関わる問題の深刻化を防ぐために、困難を抱える子どもや家庭を早期に把握し、適切な支援につなげるための子どもコーディネーターを配置しています。2018年に1名体制で試行的にスタートし、3か月後に3名体制、2019年からは5名体制と、徐々に体制と対象地区を拡大してきました。2021年度からは対象を市内全域に広げ、現在の7名体制となり、児童会館、子ども食堂などの子どもとかかわる地域の関係先を巡回しています。

定森ひかるの「質問」と「提案」

定森ひかるからは、2022年度の実績と今後の事業展開について質問をしました。これまでの巡回先は学齢期の子どもが集まる場所であり、未就学児が集まる場所への巡回の必要性もあるのでないか、という観点から後者の質問をしています。

市の答弁によると、2022年度は753回の巡回活動と、新規の相談として新規188件、継続584件という実績があったということでした。また、今後の事業展開として、認可外保育施設への巡回も検討しているということでした。

就学児は行動範囲が限られることから接する大人が少なく、また、本人の口からSOSが発せられにくいものです。定森ひかるからは、未就学児と接する機会のある関係者とコーディネーターとの連携から虐待等の深刻な課題が防止されることの期待を述べる一方で、巡回先の増加によってコーディネーターの負担が増え、支援の質が落ちることがないよう、コーディネーターを増員すべきだと提案しています。

10/20 子ども未来局「食事の提供に限らない、多様な子どもの居場所づくりの支援へ」

子どもの居場所づくり支援

子ども食堂や学習支援の場などの子どもの居場所は、食事や学習機会、様々な体験活動が提供され、子どもがひとりでも安心して過ごせる場所であり、地域で子どもを見守り・子どもを育てる場所といえます。子どもコーディネーターの連携先としても子どもの居場所が重要とされています。

こうしたなか、札幌市は、子どもの居場所の支援として、食事を提供する子どもの居場所、いわゆる子ども食堂の経費を一部補助する「子ども食堂活動支援補助金」を実施しています。

定森ひかるの「質問」と「提案」

定森ひかるからは、子どもの居場所は子ども食堂に限らず、学習支援の機会、遊び・料理など様々な体験活動をする機会など、幅広い機会を提供する活動も含めて支援をすべきという考えを述べたうえで、多様な子どもの居場所に対する市の認識を質しました。

市からは子ども食堂に限らず、今後は多様な子どもの居場所を支援に含めることを検討したいという答弁を頂きました。

定森ひかるからは、現状の補助金は食材費が対象にならないなどの使いにくさがあるので、補助内容の見直しも含めて検討してほしい旨を要望しました。また、子どもの居場所と区役所をはじめとする各種相談業務を担う公的機関との連携が不足している現状があるので、連携構築に向けた取り組みを進めるよう提案しました。